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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
胎児・新生児(2)
妊娠23週で発症した双胎間輸血症候群(TTTS)の一例


三雲 美穂, 松田 義雄, 清水 聖子, 橋口 和生, 安達 知子, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 双胎間輸血症候群(TTTS)は治療方針や分娩時期に関して,未だ統一された見解はなく周産期管理に最も苦慮する疾患の一つである.症例は31歳の初妊婦で,他院にて不妊治療(ICSI)後に妊娠成立し,妊娠12週に一絨毛膜性二羊膜の双胎と判明した.妊娠21週に当科初診し,妊娠23週経腹超音波検査にてTTTSを疑い,入院となった.受血児の最大羊水ポケット(M.V.P)は12.2cmで,供血児のM.V.Pは測定不可能であった.両児の推定体重は正常範囲内であった.入院後ただちに羊水除去が施行され,妊娠24週頃には供血児のM.V.Pは5cmを超えるようになった.両児とも発育は順調で,discordancyを認めることなく,その後計9回,合計7450mlの羊水を除去し妊娠継続が可能となった.入院時には両児ともに心機能は良好であったが,妊娠24週より受血児に軽度の三尖弁逆流,心拡大や心筋肥厚を認めるようになった.妊娠28週1日,受血児の心拡大がさらに進行し,心不全兆候も認められたため,同日緊急帝王切開術にて両児を娩出した.出生体重は供血児が1020g,受血児は1252gであった.生後1カ月の時点で受血児に出血後水頭症が認められ,脳室内にオンマイヤーチューブが設置され現在に至っている.TTTSでは胎児水腫がみられる症例に予後不良例が多いと報告されている.本症例は胎児の心機能を指標として,従来の報告よりも娩出時期が早かったが,児の予後はかなり厳しい経過を辿っていると現時点ではいわざるを得ない状況である.TTTSに関する文献的考察を含め,各種問題点を報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 257-257, 2001


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