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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
胎児・新生児(2) 当院における双胎1児IUFDの検討
釘宮 剛城, 八尾 陽一郎, 間崎 和夫, 前村 俊満, 伊藤 嘉奈子, 田岡 英樹, 田中 政信, 斉藤 眞一, 久保 春海
東邦大学医学部第1産科婦人科
【目的】双胎1児子宮内胎児死亡(IUFD)症例における生存児の予後を調べるために,当院における過去10年間に経験した症例を検討した.【対象】1991年1月〜2000年12月における双胎1児IUFD 10症例をretrospectiveに検討した.【結果】対象期間の双胎症例数は239症例で1児IUFDは10症例4.2%であった.その内双胎間輸血症候群(TTTS;stuck twin)は2症例,非TTTS群は8症例であった.非TTTS群の膜性診断は1絨毛膜2羊膜6例,2絨毛膜2羊膜2例.TTTS群は1絨毛膜2羊膜,1絨毛膜1羊膜の各1例であった.1児IUFDの診断週数は非TTTS群で平均妊娠23週6日(16週〜29週),TTTS群で平均妊娠32週2日(29週,34週),分娩週数は非TTTS群で平均妊娠33週6日(25週〜39週),TTTS群で平均妊娠32週2日(29週,34週)であった.入院後の治療はNST及び母体管理などの経過観察のみが3症例,子宮収縮抑制などを施行したものは7症例であった.死亡児の5例は臍帯卵膜付着であった.生存児の予後はTTTS群の1例が日齢2で死亡,その他の9例は生存退院した.退院後1年以上経過したfollow up外来の診察では神経学的異常を認めた児はいなかった.【考察】TTTS群の双胎1児IUFD症例では可及的速やかに生存児を分娩させた方が良いと思われるが,非TTTS群は膜性診断,在胎週数や児の成熟を考慮し総合的に管理すべきと思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
258-258, 2001
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