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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
胎児・新生児(3) 出生前診断したタイプの異なる胎児リンパ管腫3症例
内田 雄三, 滝澤 基, 岩本 豪紀, 藤江 道子, 河野 照子, 深田 幸仁, 平田 修司, 星 和彦
山梨医科大学産婦人科
リンパ管腫は組織学的には良性であるが,しばしば周囲組織に浸潤し,治療に難渋する疾患である.今回我々は,病型と経過の違う胎児リンパ管腫3症例を経験したので報告する.症例1は母体が24才,1回経妊1回経産で,妊娠30週4日に診断された,径5cmの右腋窩型胎児嚢胞状リンパ管腫の症例で,2000年10月8日(妊娠39週3日),正常経膣分娩にて,3486gの男児として出生した.可及的治療は回避し,出生6ヶ月後の2001.4.25からOK-432の局注療法を施行した.症例2は母体が30才,2回経妊2回経産で,二絨毛膜性二羊膜性双胎の第二子に,妊娠24週で診断された径10×6cmの右腋窩型胎児リンパ管腫の症例である.2001年3月8日(妊娠35週4日),緊急腹式深部帝王切開術を施行し,双胎第二子の男児として2836gで出生した.右腋窩の嚢胞は約10cmで,MRI検査で海綿状リンパ管腫と診断された.可及的治療は回避し,4月29日退院となった.出生約3ヶ月後の6月12日に,当院小児外科受診し,縮小傾向を確認している.症例3は母体が32才,2回経妊1回経産で,妊娠30週に診断された,径15cmの左頸部型嚢胞状リンパ管腫の症例である.2001年5月28日(妊娠38週0日)選択的腹式深部帝王切開術を施行し,3946gの女児として出生した.左頸部の嚢胞は約15cmで,気道閉塞,嚥下障害等の症状はなかったが,嚢腫表面の血管が出血をきたし,2001.6.16減圧のため嚢胞より1700ml穿刺吸引,2001.6.18(日齢21日目),OK-432局所注射を施行した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
260-260, 2001
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