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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
遺伝 三倍体26例の検討
望月 純子1), 前田 徹2), 天野 完1), 西島 正博1)
北里大学医学部産婦人科1), 北里大学看護学部2)
【目的】三倍体はヒトの受精卵の1〜3%に認められ,ほとんどは7〜16週で流産する.病理組織学的にみると腫脹絨毛と正常絨毛が混在する部分胞状奇胎であり,雄核発生に由来する全胞状奇胎とは明確に区別される.三倍体は1型である二雄核性三倍体(diandry)と2型の二雌核性三倍体(digyny)に大別され,前者は2精子受精または二倍性精子受精によって,後者は二倍性卵子と正常精子との受精によって発生すると考えられている.稀に妊娠中期・後期に異常胎児として発見される場合があり,過剰なゲノムが父親由来(1型)か母親由来(2型)かによって表現型に差異がでる.今回当院で経験した三倍体26例について検討した.【方法】後方視的検討.【成績】染色体分析をおこなった自然流産496例中280例(56.4%)に染色体異常を認め,そのうち23例(8.2%)が三倍体であった.平均週数は11.1±1.8で,母体平均年齢は27.8±4.9歳であり,XXX:XXY:XYY比は13:13:0であった.異常胎児では19週・20週・34週の3例が三倍体であり全例69,XXXであった.2例は均衡のとれた身体と嚢胞状変化を伴う巨大胎盤から1型と推定され,1例は大きな頭部と小型の胎盤から2型と考えられた.3例中2例が子宮内胎児死亡となり,1例が妊娠中断となった.【結論】三倍体胎児の臨床所見から染色体の由来を推定した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
265-265, 2001
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