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<< 学会誌へ戻る Wunderlich症候群は，重複子宮の一側が盲端となり留血腫を形成し，さらに同側の腎無形成を合併した稀な疾患である．また，盲端を形成している片側子宮を放置していると子宮内腔のダメージをきたしたり感染を起こし，さらに子宮内膜症を発症せしめるなど将来妊孕性を損なう疾患でもある．その為，診断がつき次第，閉鎖している部位を開放する必要がある．今回，我々は腹腔鏡によりWunderlich症候群と診断後，経腟的開窓術を行い，後日改めて開腹し片側子宮切除術に至った症例を経験したので報告する．症例は18歳，0経任0経産，月経困難管理不良にて精査・加療のため当院へ紹介された．内診，超音波断層法・MRI検査にて重複子宮と右側の子宮あるいは膣の留血腫（留膿腫）を疑った．また，IVP検査では右側の腎無形成が確認された．診断と治療を兼ねて腹腔鏡を施行し，重複子宮・右側子宮頚部閉鎖・子宮留血腫（留膿腫）を認めたためWunderlich症候群と診断し，同時に経膣的に右子宮ドレナージを施行した．根治術は学校の休みに合わせて行う希望があったため，後日開腹し右側子宮切除術を施行した．女性生殖器奇形は，上述した様に緊急性を要することがある．しかし，片側性のみ（重複子宮・重複膣・片側膣閉鎖，および本症例）の異常は疑わなければ絶対にできないものであり，非対称性生殖器奇形の存在は思春期外来を行う際に常に考えておかなければならない． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 266-266, 2001 |
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