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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
子宮奇形 子宮奇形のAFS分類と妊娠に関する検討
宮本 わか奈, 桜井 明弘, 島貫 洋人, 武内 裕之, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科
子宮奇形は,妊娠予後を不良にするリスクファクターのひとつと考えられている.当科では,産科・婦人科の一般外来で経腟超音波にて子宮奇形が疑われた症例は,内分泌外来にて精査を行っている.子宮奇形が疑われた62例のうち,MRIを撮影して子宮奇形と診断した52例(子宮形成術未施行)をAFS分類にもとづき分類し,妊娠,流産,不妊,不育,周産期合併症について検討した.52例中,単角子宮は8例,重複子宮は21例,双角子宮は7例,中隔子宮は16例であった.経妊患者は25例で総妊娠数は49回であった.初診時の主訴は不妊が15例で29%であった.妊娠をきっかけとして発見された子宮奇形が5例あった.妊娠に占める流産の割合は35%と比較的高い傾向にあるが,経妊患者1人あたりでは,平均0.7回であった.25人の経妊患者中15人(60%)は正期産であった.子宮奇形の種類別では流産率に有意差はなかった.周産期合併症では,骨盤位29%,IUGR 24%で,早産はみられなかった.<結語>子宮奇形の種類に関係なく,その60%は妊娠が継続し,正期産であった.子宮奇形に対して,直ちに子宮形成術を行う必要はなく,一定観察期間をおくことが望ましいと思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
267-267, 2001
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