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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
内分泌
婦人科外来を受診したCushing症候群の2症例


新田 律子1), 小林 浩一2), 林 直樹1), 石原 理1), 竹田 省1)
埼玉医大総合医療センター産婦人科1), 埼玉医大総合周産期母子医療センター産科2)


 Cushing症候群は,自律性病変に基づくコルチゾールの過剰が原因で種々の症状を示す疾患群で,ACTH依存性と非依存性に分類される.本邦では20〜50歳代の女性に多く,肥満,高血圧,月経異常を合併しやすい.今回,無月経を主訴に受診し,Cushing症候群と診断された2症例を報告する.(症例1)31歳 1G0P 3年前から急速に体重が増加(50Kg〜67Kg)し,無月経のため当科を受診した.初診時,満月様顔貌,外陰部の多毛,高血圧(149/96),耐糖能障害が認められた.コルチゾール(17.3ug/dl)は正常下限で,ACTH(3pg/ml未満)は低下,テストステロン(184ng/dl)は上昇しており,Cushing症候群と診断され入院となった.超音波,MRIでは右副腎腫瘍と胆石が認められたため,内視鏡下で右副腎,胆嚢を摘出した.病理診断はadenocortical adenomaであった.現在ステロイド補充療法中である.(症例2)30歳 0G0P 21歳頃より高血圧を指摘され,本態性高血圧と診断された.30歳時,原発性不妊のため当科来院した.その後,体重増加(43Kg〜48Kg),満月様顔貌,手足の浮腫,無月経が出現し,ACTH(10.5pg/ml)が上昇,コルチゾール(36.8ug/do)が高値となり,Cushing病と診断された.MRIでは,下垂体に3mm大のmicroadenomaを思わせる所見が認められたため,Hardy's opeを施行した.術後一過性の尿崩症となるも回復し,ステロイド補充にて経過観察中である.現在不妊治療を再開した.(結語)肥満,高血圧,月経異常を主訴として来院した例ではCushing症候群も疑う必要があると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 268-268, 2001


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