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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
内分泌
卵巣摘出術後に高血圧症を合併した卵巣欠落症状の一例


阿川 宇啓, 牧田 和也, 小見 由里子, 松浦 菜穂子, 安岡 昭子, 小川 真里子, 久布白 兼行, 堀口 文, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶應義塾大学医学部産婦人科


 悪性腫瘍や子宮内膜症などの婦人科疾患にて両側の卵巣摘出術(卵摘)を施行した患者では,女性ホルモンの欠落による不定愁訴が出現することは良く知られている.今回われわれは,術後の卵巣欠落症状に高血圧症を合併し,ホルモン補充療法(HRT)および心身症的アプローチにて症状の改善をみた1例を経験したので報告する.(症例)46歳,0経妊0経産.既往歴として28歳時に卵巣嚢腫にて右付属器切除術施行.38歳時に子宮筋腫および子宮内膜症を指摘されるも放置.現病歴としては,平成12年2月突然の下腹部痛を主訴に当科初診となり,超音波検査・MRI検査にて多発性子宮筋腫および左卵巣内膜症性嚢胞の診断に至った.同年6月腹式単純子宮全摘術および左付属器切除術を施行し術後経過良好にて退院となるが,その後血圧の上昇と顔面紅潮・頭痛・動悸といった不定愁訴が出現したため,同年9月当科更年期外来紹介受診となった.十分な説明と同意の上HRTを開始したところ,不定愁訴は徐々に改善傾向を示し,また血圧も施行3カ月後には低下傾向を示した.その後本年1月,術後の癒着性イレウスにて入院となるが,血圧は入院後の安静のみで安定するも不安感・イライラなどの精神症状が強いため,心身症専門医による心理テストおよびカウンセリングを施行した.現在はHRTのみで外来経過観察としているが,不定愁訴は軽減し血圧も正常範囲である.今回の症例を経験し,卵摘術後の不定愁訴のみならず,精神面も含めた全身状態の変化にも十分留意の上治療を行う必要性を再認識した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 269-269, 2001


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