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<< 学会誌へ戻る 子宮内膜症は日常臨床において遭遇する頻度が高い疾患で，頑強な疼痛や妊孕性の低下を主徴とする．画像機器の発達により，比較的小さな嚢胞性病変は容易に診断が下せるようになったものの腹膜病変や深部子宮内膜症病変の診断には苦慮することが多い．我々の施設では子宮内膜症と診断された症例に対しMRIをルーチン検査として行い，より微小病変を捉える為，検査前処置として浣腸，臭化ブチルスコポラミンの筋注を行い，撮影画像には脂肪抑制画像を併用している．今回我々は，慢性疼痛を引き起こす深部の子宮内膜症病変をMRIにて診断し外科的治療によって根治し得た症例を経験したので，我々の子宮内膜症MRI診断のデータと共に報告する．（MRI診断）子宮内膜症に対して施行されたすべての手術中腹腔内肉眼的所見とMRI所見を比較した結果，10mm以上の病巣では59病巣すべてがMRIにて診断可能であった．また，10mm未満の病巣に関しては38病巣中20病巣（52.4％）がMRIにて診断可能であった．（症例）39歳0経妊0経産，平成11年頃より慢性疼痛が出現し，他院にてあらゆる薬物治療を受けるも治療抵抗性であった．腹腔鏡手術においても疼痛の原因が確定できず当院受診．子宮内膜症の診断にてMRIを施行したところ直腸膣中隔に8mm程度の病巣をみとめ再びダナゾール療法を施行するも改善傾向みられず外科的治療に踏み切った．腹腔内に内膜症の肉眼的病巣はなく左仙骨子宮靭帯が硬く腫大しているのみであった．左仙骨子宮靭帯とその周囲の硬結部を完全に切除し，慢性疼痛を解除し得た． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 271-271, 2001 |
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