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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠(2)
両側卵管切除後の体外受精にて子宮内外同時妊娠をきたした1症例


稲葉 不知之1), 深瀬 正人1), 門 智史1), 辻井 篤1), 前川 岩夫1), 稲葉 憲之2)
沼津市立病院産婦人科1), 獨協医科大学医学部産婦人科2)


 子宮内外同時妊娠の頻度は,自然妊娠では0.003%以下と極めて稀であるが,近年のARTの普及により散見するようになった.我々は,両側卵管切除後に遺残した右卵管起始部に妊娠,破裂した症例を経験したので報告する.症例は27歳(0−0−2−0).妊娠はいずれも子宮外妊娠で,平成9年に右卵管切除術(腹腔鏡下),平成12年に左卵管切除術(開腹術)を受けている.平成13年3月29日体外受精を施行.受精卵を3個子宮内に戻し,その後,二絨羊膜性双胎として妊娠管理を施行していた.同年4月27日妊娠6週2日にて下腹部痛が出現.当初,虫垂炎と診断されて,当院外科に搬送されるが,虫垂炎の所見乏しく,当科に依頼となる.経膣超音波にて子宮内に双胎妊娠を確認.同時にダグラス窩にfree echo spaceを認めた.ダグラス窩穿刺するも吸引不可.しかしfree echo spaceが増大傾向にあるため,腹腔内出血と診断.開腹術を施行した.腹腔内には凝血塊が大量に認められ,総量は1340mlに達した.左右卵管とも欠如していたが,右卵管起始部より出血しており,同部位に胎嚢らしきものと絨毛組織が凝血塊中に認められ,右卵管起始部の子宮外妊娠が強く示唆された.後ほど行われた病理組織でもchorionic villiが確認された.本症例は受精卵を3個戻し,2個の受精卵が子宮内着床,二絨羊膜性双胎として発育,残りの1個が右卵管起始部に着床したと考えられた.両側卵管が切除されている症例でも,体外受精例では,このような子宮外妊娠も生じる得ることを念頭に置くべきである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 274-274, 2001


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