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<< 学会誌へ戻る 子宮に原発する奇形腫はきわめて稀なものであるが，中でも子宮頚部の原発は極めて珍しく，数十例の報告を見るにすぎない．今回，我々は子宮頚部原発と考えられる成熟嚢胞性奇形腫を子宮鏡下手術にて治療したので報告する．症例は28歳，0経妊0経産．不正性器出血を主訴に近医を受診し，頚管ポリープを疑い精査目的で当科紹介となる．経膣超音波検査では，頚管内に18mm×14mmのhypoechoicな腫瘍を認めた．子宮鏡およびSHG（sonohysterography）にて頚管内を占拠する腫瘍を認め，茎は頚管内の12時方向で内子宮口付近より突出していた，以上より子宮筋腫と診断した．頚管より発生した子宮筋腫を疑い子宮鏡下手術を施行．有茎性腫瘍を切除したところ組織検査にて，成熟嚢胞性奇形腫と診断され，悪性所見は認められなかった．術後月経発来後に2nd look hysteroscopyを行い頚管内には残存腫瘤のないことが確認された．成熟嚢胞性奇形腫は，卵巣において高頻度に認められる腫瘍であるが，子宮特に頚管に発生するものは極めて稀である．発生機序としては胎生初期の胚細胞の迷入という説が有力である．本邦において子宮頚管から発生した未熟奇形腫の報告もあり，子宮頚管内腫瘍が疑われた場合，直ちに子宮鏡検査を行い，早期の外科的治療が必要であると考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 277-277, 2001 |
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