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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
子宮体部腫瘍(1)
若年で発症した子宮内膜間質肉腫の1例


上野 恵, 矢島 正純, 伊地知 律子, 岡村 恵子, 樋田 一英, 高松 潔, 安達 知子, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 子宮内膜間質肉腫は稀な疾患で,40才代に多いとされている.今回われわれは不正性器出血を主訴に来院した若年の子宮内膜間質肉腫症例を経験したので報告する.症例は21才・独身で,1年前頃より月経過多を訴え貧血を指摘されていたが,不正性器出血を主訴に平成13年1月に当院を受診した.内診上,子宮は小手拳大で超音波上,子宮壁が腫大しており,子宮腺筋症あるいは変性筋腫を疑い,子宮内膜組織診では,内膜は萎縮性で間質の多くは変性しており出血を伴っていた.しばらく経過観察するも貧血が進行し,径4センチ大のポリープ様の腫瘍が子宮口から認められたため結紮切断を試みたが,ほとんどが脆い壊死性組織であった.MRIでは変性筋腫あるいは肉腫との診断であったが,急速に増大傾向を示したため,5月に手術施行した.子宮体部に境界不明瞭で黄色軟な腫瘍が内膜の直下まで認められ,子宮温存が極めて困難で,さらに術中迅速組織診で子宮内膜間質肉腫との診断にて子宮全摘出術,片側付属器切除術を施行した.組織診断は子宮内膜間質肉腫・低悪性度で,核分裂像は1〜2/hpfと少なく,細胞異型も強くはないが,リンパ管侵襲が認められ,急速に腫大した臨床所見とも併せて厳重に経過観察を行っている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 282-282, 2001


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