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<< 学会誌へ戻る 子宮原発の悪性リンパ腫は極めて稀であり，術前の診断確定には苦慮することが多い．今回我々は，子宮原発悪性リンパ腫の一例を経験したので，その画像診断について検討し，文献的考察を加えて報告する．本症例は70才 3経妊3経産．平成13年1月9日下腹痛にて近医受診したところ，腹部腫瘤を指摘されたため，当科紹介初診．経腹超音波上，径14.6×9.5cmと著明に腫大した子宮を認めた．検査所見については，CA125 19U/ml，CA19−9 2.8U/ml，AFP 3.1ng/ml，CEA 1.2ng/ml，と腫瘍マーカーは正常範囲内であったが，LDHのみ3821U/lと高値を示した．子宮頚部細胞診はClass3a，体部は器具挿入困難にて採取不可であった．CT，MRIでは著明に腫大した子宮筋層内部に，拡張した血管像が見られた．リンパ節腫大，腹水は認められなかった．2月8日開腹手術施行．骨盤腔内は暗赤色の小児頭大に腫大した子宮腫瘍によって占拠されており，両側卵巣・円靭帯などを始めとして，骨盤内子宮周囲組織に広く浸潤していた．術中迅速診断にて悪性リンパ腫との結果をうけ，単純子宮全摘＋両側附属器切除術を施行して閉腹した．最終病理診断はmalignant lymphoma of the uterus（diffuse large，B cell type）であった．術後全身状態の回復を待って，血液内科に転科した．化学療法（THP-CVP）施行された結果，現在緩解状態であり骨盤腔内での病変増大は認めていない． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 283-283, 2001 |
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