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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
子宮体部腫瘍(2)
MPA投与により保存治療した子宮体癌の1例


白石 淑子, 古川 隆正, 田岡 英樹, 青木 千津, 斉藤 眞一, 久保 春海
東邦大学医学部第1産科婦人科


 子宮体癌は近年増加傾向にあり,若年者では子宮の保存を希望される症例もある.今回我々は,MPA投与により保存治療した子宮体癌の1例を経験したので報告する.症例は36歳,0経妊.平成10年6月,貧血および過多月経のため近医を受診,子宮内膜全面掻爬を施行したところ病理結果により子宮体癌と診断されたため,精査,加療目的で当院を紹介受診となる.初診時の子宮内膜細胞診はclass IIIb,子宮内膜組織診はG1のAdeno-acanthomaであった.ヒステロスコープ,CT,MRIにて筋層浸潤はなく,腫瘍は子宮内膜に限局しFIGO分類のIa期と診断した.本人および家族の子宮温存の希望が強かったため,十分なインフォームドコンセントを得た後,MPA投与による保存治療を施行した.平成10年7月子宮内膜全面掻爬施行後,8月よりMPA600mg/dayの投与を開始した.2ヵ月投与後も出血が持続し,子宮内膜細胞診はclass IIIa,子宮内膜の肥厚が軽快しなかったためMPA800mg/dayに増量したところ,その後出血は消失し,子宮内膜の厚さも正常範囲となった.平成11年3月には子宮内膜細胞診も陰性であり,Echo,CT,MRIにて子宮内膜の肥厚も認められなかったためMPAの投与を中止した.その後無排卵であったため,clomid 100mg/day投与にて6ヵ月間排卵誘発していたが,投与中止後より月経不順となった.平成13年2月には子宮内膜細胞診がclass IVとなったため,3月よりMPA 400mg/dayの投与を再開し,現在通院中である.MPA投与による子宮体癌の保存療法は,その適応,投与量,投与期間,治療の中止時期や手術療法への変更のタイミング等,検討すべき課題の多い治療であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 285-285, 2001


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