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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
子宮体部腫瘍(3) タモキシフェン投与中にみられた子宮内膜ポリープの2症例
大日方 みゆき, 三溝 ゆり, 横西 清次, 小谷 俊郎, 野口 浩
国立松本病院産婦人科
タモキシフェン(以下TAMと略)は非ステロイド系の抗エストロゲン剤で,乳癌術後の再発予防の維持補助療法として汎用されている.TAMの長期服用により子宮体癌の発生頻度が増加することが報告されているが,それ以外にも内膜ポリープや内膜増殖症の発生もある.今回我々はTAM投与中に発見した内膜ポリープの2例を経験したので,その概要を報告する.<症例1>59才,平成6年乳癌手術をうけ,TAM投与中.平成8年2月婦人科癌検診で受診.子宮超鵞卵大で超音波,MRIで子宮内に嚢胞性変化あり.細胞診,生検で異常ないため,経過観察していたが,平成13年2月子宮増大,腫瘍マーカー上昇のため手術を行った.摘出物では平滑筋腫の他,子宮腔内に幅4.5cmの内膜ポリープが認められた.<症例2>72才,平成12年7月乳癌手術,術後TAM投与中.平成12年12月定期検診時腫瘍マーカーの異常を見たため,精査目的で腹部CTを実施.子宮内膜の肥厚あり婦人科に紹介された.細胞診はクラスII,内膜掻爬ではほとんど検体採取出来ず.婦人科での経過観察中,細胞診クラスVがでたため,子宮悪性腫瘍の疑いで手術.摘出物では子宮腔内にポリープを認め,内膜も高度に肥厚.組織学的診断は内膜嚢胞性増殖で悪性所見は見られなかった.以上の2例を経験して,外科と協力しTAM投与患者の婦人科診察を積極的に行っているが,経膣超音波にて子宮腔内に同様の所見を見る例があり,今後精査を予定している.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
286-286, 2001
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