|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
子宮体部腫瘍(3) 子宮鏡検査が診断に有用であった単頚双角子宮の片側に発生した子宮体癌の一例
向田 一憲, 中村 浩, 菊地 里英, 田中 都生, 外村 光康, 堀 量博, 飯塚 聖子, 永田 順子, 高山 雅臣
東京医科大学産婦人科
近年,子宮体癌は細胞診断や経腟超音波断層法の精度の向上,子宮鏡検査の導入等により診断が容易になってきている.今回我々は子宮鏡検査が診断に有用であった単頚双角子宮の片側に発生した子宮体癌の一例を経験したので報告する.症例は57歳,女性.3経妊3経産.49歳にて閉経.既往歴に特記すべきことなし.平成13年3月,不正性器出血を主訴に当院受診.内診にて子宮は超鶏卵大で軟,可動性は良好.両側付属器触知せず.両側の傍結合織に硬結認めず.子宮腟部はatrophicであったが茶褐色帯下を少量認めたため子宮頚部擦過細胞診及び内膜細胞診を施行したところclass IIであった.しかし経腟超音波断層法にて子宮内膜の肥厚を認めたため子宮鏡を施行したところ単頸双角子宮であることが判明し,左側の子宮内膜より発生する異型血管を伴った隆起性病変を認めた.生検にてendometrioid adenocarcinomaと診断された.対側の子宮内膜には異常所見を認めなかった.同年6月,子宮体癌の診断にて手術施行となった.術式は単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,傍大動脈及び骨盤内リンパ節郭清で,術中腹腔内洗浄細胞診にて癌細胞を認めなかったため大網は温存した.術後病理組織診断はendometrioid adenocarcinoma with squamous differentiation,Grade1.臨床進行期分類はstage Ic,pTNM分類はpT1cN0M0であり,左側の内膜にのみ病変を認めた.今後,術後補助化学療法を予定している.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
287-287, 2001
|