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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍(1) 7歳女児に発症した卵巣卵黄嚢腫瘍
馬場 直美, 林 隆, 土居 大祐, 米山 剛一, 明楽 重夫, 荒木 勤
日本医科大学産婦人科
症例は7歳,平成13年5月18日,急性腹症にて来院した.腹部に小児頭大の弾性硬の腫瘤を触知,CTにて骨盤内を占拠する10cm大の充実性腫瘤を認め,卵巣腫瘍と診断.鎮痛剤にても症状の軽快みられず,破裂,茎捻転の疑いにて同日緊急開腹術施行した.腫瘤は右卵巣腫瘍であり,破裂部位に大網が被覆,また膀胱への浸潤,虫垂との癒着を認め,右付属器切除術,大網切除術,左卵巣楔状切除術,膀胱部分切除術,虫垂切除術を施行した.また開腹時,メッケル憩室を認め,切除術施行した.術前腫瘍マーカーはLDH 2775 IU/l,CA125 40U/ml,CA19−9 40U/ml,CEA 2.8ng/ml,AFP 5400ng/ml,hCG 7.1mIU/mlと高値を示した.摘出物病理検査にてyolk sac tumor,卵巣癌進行期分類に準じて,stageIIcと診断された.術後化学療法として6月4日よりBEP(bleomycin,etoposide,carboplatin)療法を施行中である.卵黄嚢腫瘍(yolk sac tumor)は胚細胞腫瘍に属する稀な悪性腫瘍であるが,比較的化学療法の感受性が高いとされている.今回,7歳女児に発症した卵黄嚢腫瘍を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
288-288, 2001
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