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<< 学会誌へ戻る 卵巣腫瘍のなかで，奇形腫は生殖期女性に多くgerm cell tumorの代表的な腫瘍である．超音波，CT，MRIにより術前診断される．画像診断では様々な様相を呈し，文献にも珍しい報告がされている．今回我々は，可動脂肪小球を伴った卵巣奇形腫の1例を経験したので報告する． 症例は72歳．3経妊3経産．月経周期は53歳閉経で，既往歴，家族歴で特記すべきことはない．下腹部腫瘤感を主訴に2001年3月5日当科初診．内診にてダグラス窩より小児頭大に及ぶ巨大腫瘍を認めた．腫瘍マーカーはCA125：8 U/ml，CA19−9：14U/ml，CA72−4：1 U/ml．超音波検査にて腫瘍内に多数のhigh-echicな小球を認めた．卵巣嚢腫手術目的に同年4月12日入院となり4月13日開腹術施行．腫瘍は右卵巣が小児頭大に腫大しており，黄色皮膜に覆われ小球内容腫瘤成分を認めた．術中迅速診断にて一部にimmatureの組織が疑われ，子宮全摘及び両側付属器切除を施行した．病理診断にて，右卵巣はmature cystic teratomaと最終診断された．術後経過良好であり術後10日目に退院した．小球内容を形成する奇形腫は稀な病態であり，若干の文献学的考察を加え報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 290-290, 2001 |
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