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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(1)
卵巣悪性混合型胚細胞腫瘍の1例


渡邊 広是, 北岡 芳久, 田島 敏秀, 保坂 猛, 岩橋 和裕, 白石 悟
大田原赤十字病院産婦人科


 卵巣胚細胞腫瘍では分化が進んだ生殖細胞の腫瘍化による皮様嚢胞腫から未熟な胚細胞に由来するものまで多彩な組織型がみられる.今回我々は,混合型胚細胞腫瘍の1症例を経験したので報告する.症例は19歳の未婚女性(0G0P)で,平成13年2月4日に下腹部痛が出現したため当院救急センター受診.妊娠反応陽性であり,超音波断層検査・CTで一部充実性部分を含む嚢胞性の巨大卵巣腫瘍(18×12×17cm)を認めた.術前の腫瘍マーカーはhCG:3689.6mIU/ml,AFP:3797.7ng/ml,CA19−9:53U/ml,CA125:190U/mlであった.以上より,胚細胞腫瘍を疑い平成13年2月5日に左付属器切除術を施行した.術中所見では,暗褐色の腹水450mlを認めたが,癒着はなく,右付属器,子宮には明らかな異常所見を認めなかった.術中の腹水細胞診と,腫瘍表面,対側卵巣表面の擦過細胞診はクラスIIであった.摘出検体の病理組織学的検査では,胎児性癌を主体として,卵黄嚢腫瘍,未分化胚細胞腫の組織も認められ,左卵巣原発の悪性混合型胚細胞腫瘍と診断した.術後,ペプロマイシン・エトポシド・シスプラチンによる補助化学療法(PEP)を3クール施行し現在外来にて経過観察中であるが,特に再発所見を認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 290-290, 2001


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