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<< 学会誌へ戻る 50歳，3回経妊，3回経産婦．小脳炎後の小脳失調症にて当院神経内科入院中，38度台の発熱と下腹部痛を認めたため当科受診となる．外診にて臍上2横指に達する腫瘤を触知．腫瘍マーカーではCA125 108.2，SLX 39と上昇，MRI T2強調画像にて子宮頭側にiso〜high intensityでheterogenousに描出される腫瘍と，子宮体部に一部high intensityな限局性の腫瘤を認めた．以上より卵巣腫瘍，子宮筋腫の診断にて開腹術施行となった．開腹時，左卵巣は小児頭大に腫大し周囲の腸管と癒着していた．また子宮頚部直上には11×7cmの筋腫核様の腫瘤を認めた．術中迅速病理検査にて卵巣腫瘍は明細胞癌と診断されたため，単純子宮全摘術ならびに両側附属器切除術を施行．術後の病理所見でも卵巣には出血・壊死を伴う細胞質の淡明な細胞が密集しており，乳頭状増殖を示す部にはhobnail patternを認め明細胞癌と診断された．子宮腫瘍は錯走した比較的肥大した平滑筋細胞が腫瘍を形成しており，周囲の平滑筋層へ浸潤していた．腫瘍を形成している細胞は長紡錘形で好酸性の細胞質を有し，核はhyperchromaticで紡錘形のものが多いが，ところにより多核であったりbizarreな形をしたものがかたまってみられた．核分裂像は15MF/10HPFと分裂能力は強く，bizarre leiomyomaというよりは平滑筋肉腫と考えられた．卵巣明細胞癌に子宮平滑筋肉腫が合併した希有な症例と思われた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 292-292, 2001 |
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