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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
初回治療後長期間を経て再発を来した卵巣顆粒膜細胞腫の二例


袖本 武男, 滝澤 弥栄子, 星野 寛美, 斉藤 一夫, 草鹿砥 千絵, 関 博之
関東労災病院産婦人科


 卵巣顆粒膜細胞腫は比較的稀な腫瘍であるが,長期の寛解期間の後に再発を来すことがその臨床的特徴と言われている.今回我々は初回治療後10年後,21年後にそれぞれ再発を認めた二症例を経験したので報告する.(症例1)65歳時(平成元年7月)当科にて卵巣腫瘍のため子宮全摘・両側付属器切除術施行.組織病理診断は卵巣顆粒膜細胞腫であった.平成6年まで外来通院していたが,その後受診しなくなっていた.脳梗塞後のフォローアップのため通院中の当院内科で腹壁腫瘍を指摘,穿刺組織診にて顆粒膜細胞腫と診断され,当科紹介受診となった.卵巣腫瘍再発の診断で平成11年7月27日腫瘍摘出術施行.その後外来にてetoposide投与を行っていたが,骨盤内に再発腫瘍を認めたため,平成12年8月29日腫瘍摘出術を再度行った.その後もetoposide投与を継続し外来にて経過観察中である.(症例2)27歳時(昭和54年)他院にて左付属器切除を受けていた.子宮癌検診時に頚管ポリープを指摘され,平成12年11月8日当科初診.骨盤内に鶏卵大の嚢胞性腫瘤を触知した.超音波検査では径6cmで内部に充実性部分を伴う嚢胞性腫瘤であった.卵巣腫瘍の診断で2001年1月16日開腹術施行.有茎性で鶏卵大の腫瘤が壁側腹膜より下垂していた.子宮・右付属器は正常であった.腫瘍切除術施行.摘出標本の組織病理所見は顆粒膜細胞腫の診断であった.27歳時の手術時摘出標本を前医より取り寄せ比較検討したところ,この時の病理診断も卵巣顆粒膜細胞腫であり,今回の腫瘍は再発腫瘍であると考えられた.現在外来にて経過観察中である.卵巣顆粒膜細胞腫の臨床経過の特徴とその管理上の注意点につき考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 293-293, 2001


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