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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
産褥8ヶ月に血中テストステロン異常高値と両側卵巣腫大を認め治療を要した1例


堀 芳秋1), 小笠原 良治1), 酒池 淳1), 窪田 与志1), 東條 龍太郎2)
横浜栄共済病院産婦人科1), 東條ウイメンズクリニック2)


 産褥8ヶ月に両側卵巣の多嚢胞性変化とテストステロン異常高値を認め,両側卵巣切除にてテストステロンの正常化がみられた症例を経験したので報告する.症例は28歳,身長157cm,体重58kg,BMI23.5,1経妊1経産,妊娠9ヶ月頃より背中の皰,多毛,低声化を認めた.平成10年5月2846gの女児を正常分娩した.児には外性器を含めて明らかな異常は認められなかった.無月経が持続し,同年秋には陰核肥大を来した.同年12月16日当科受診,平成11年1月4日精査目的に入院となった.入院時のテストステロン315ng/dl,フリーテストステロン8.2pg/mlと異常高値を示した.LH,FSH,E2,プロゲステロン,DHEA-Sは正常範囲内,LH-RHテストではLHの過剰反応を示した.耐糖能は正常であった.超音波にて,左右の卵巣は12×9cm,8×6cmに腫大,多房性嚢胞状,造影MRIにて充実性部分は見られなかった.尿中17-OHCSやや高値,17-KS正常で,CTでは副腎に異常は認められなかった.血中腫瘍マーカーも正常範囲内であった.テストステロン産生腫瘍を疑い,平成11年1月15日両側卵巣生検を施行した.嚢胞内溶液は淡黄色,漿液性液体であった.病理組織学的には卵胞嚢胞で,原始卵胞は少数しか残存していなかった.生検後も卵巣の縮小はみられず,患者,家族の同意のもとに,同年1月26日両側付属器摘出を施行した.病理組織学的には卵胞嚢胞に相当する嚢胞以外の所見は見られなかった.テストステロンは手術当日には59.5mg/dl,術後6日目は37.3mg/dl,フリーテストステロン1.0pg/mlと急速に正常化していた.術後ホルモン補充療法開始し,多毛の改善を認め経過は良好であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 294-294, 2001


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