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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
TJ療法が著効した進行卵管癌の1例


安堂 裕介, 野島 美知夫, 木村 美葵, 小堀 宏之, 荻島 大貴, 長沢 敢, 山本 勉
越谷市立病院産婦人科


 原発性卵管癌は婦人科悪性腫瘍の中では稀とされているが,症状に乏しいため,発見が遅れることにより予後不良となることが多い.我々は十二指腸転移を認めた進行卵管癌に対し,paclitaxel,carboplatinを併用(TJ療法)したところ著効を示し,手術可能となった症例を経験したので報告する.【症例】60歳,2経妊2経産.既往歴,家族歴に特記すべき事ことなし.腹水の貯留と持続する性器不正出血のため,平成12年12月12日当院内科より紹介となった.精査したところ,腹水細胞診にてclass V,CA125は7850U/mlと高値を示し,骨盤CTにて下腹部に腫瘍を認め,癌性腹膜炎の状態であった.さらに内視鏡検査にて十二指腸に腫瘤を認め,生検を行ったところ転移性腺癌が疑われた.以上のことより,卵巣癌を念頭に置きTJ療法を3コース行ったところ,腹水の減少,腫瘍の縮小,CA125の正常化と著効を示したため,平成13年4月4日,腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術,大網部分切除術を施行した.術中所見では,右卵管膨大部が拡張し卵管采より突出する腫瘍を認めた.細胞学的にこの腫瘍のほとんどは壊死組織に置き換わっており,その中心部にわずかに癌細胞を認め,原発性卵管癌と病理診断された.術後,TJ療法を3コース施行し,現在,外来にて経過観察中であるが,十二指腸の腫瘍性病変からも癌細胞は検出されていない.TJ療法は上皮性卵巣癌に有効な治療法として確立されているが,卵管癌にも有効である可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 297-297, 2001


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