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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
術前に下大静脈フィルターを挿入し良好な周術期管理を行い得た深部静脈血栓症合併卵巣癌の一例


熊谷 万紀子1), 村岡 光恵1), 高木 耕一郎1), 黒島 淳子1), 太田 博明2)
東京女子医科大学附属第二病院産婦人科1), 東京女子医科大学産婦人科2)


 深部静脈血栓症を合併した開腹術を必要とする症例に対して下大静脈フィルターを留置し,順調に周術期を経過した一例を報告する.症例は58歳,3回経妊2回経産.家族歴,既往歴に血栓症既往はない.平成10年頃より不正性器出血が出現していたが放置.平成11年11月頃より腹部膨隆を自覚,平成12年3月に突然左下肢痛・可動制限および知覚鈍麻が出現したため,発症2日後当院整形外科を受診,巨大腹部腫瘤を指摘され,当科へ紹介受診となった.臍上2横指に達する嚢胞性腫瘤を触知,左下肢は大腿部から足尖に至るまで蒼白に変色,右下肢に比較し約2倍の太さに腫張し,膝関節は屈曲困難であった.骨盤CTにて18cm径の充実性部分を含む嚢胞性卵巣腫瘍,子宮内腔の肥厚,左総腸骨静脈から大腿静脈におよぶ静脈内血栓を認めたため,悪性卵巣腫瘍による深部静脈血栓症と診断.開腹術に先立ち,ヘパリン投与下に右大腿静脈より下大静脈フィルターを挿入し,挿入4日後(血栓発症後16日目)に単純子宮全摘術および両側付属器切除術を施行した.摘出標本は1775g,腫瘍内容液は4075gで,卵巣および子宮体部の類内膜腺癌と病理診断した.術後2日目に酸素飽和度の低下がみられ,肺塞栓が疑われたが,ヘパリン投与の継続によって軽快し,術後4日目ワーファリンに変更した.術後6日目より左下肢の著明な浮腫減少を認め,術後10日目には大腿周囲径および腓腹部周囲径の左右差は消失した.卵巣癌術後化学療法とともにワーファリン投与を6ヵ月間にわたり継続したのち,術後1年4ヵ月間経過観察しているが,腫瘍および血栓症の再発は見られていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 298-298, 2001


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