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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
子宮頚部腫瘍 進行子宮頚癌に対する術前BIN(Bleomycin,Ifosfamide,Nedaplatin)療法の臨床的検討
大谷 貴美, 対木 章, 仲村 三千代, 藤井 調, 鈴木 卓, 清水 徹郎, 三原 江田
国立水戸病院産婦人科
【目的】近年,白金製剤を含む併用化学療法が進行子宮頚癌に対して優れた奏効率を示し,NACの有用性が示唆されている.今回は単剤投与で極めて高い奏効率を示したNedaplatin(NEP)をkey-drugとしたBIN療法を進行子宮頚癌のNACとして施行し,その有用性について検討した.【方法】1996.10より子宮頚癌II期以上のbulky/advanced症例の患者を対象にICの得られた14例についてBLM:10〜15mg/body(D1〜3),IFM:2g/body(D1〜3),NEP:80〜100mg/m2(D3)のBIN療法を4週毎,1〜4コースをNACのレジメンとした(平均2.6コース).その内訳はII期:6例,III期:7例,IV期:1例であった.観察項目は副作用評価,抗腫瘍効果としてCT,MRIなどの画像診断の他,コルポ,細胞診,組織診及び腫瘍マーカーの推移等を検討した.【成績】副作用は白血球減少等の骨髄抑制が主体でいずれもGrade3以内で,治療周期の遅滞を起こす症例はなかった.抗腫瘍効果はCR:1例(pathological),PR:10例,NC:3例,PD:0例で高い奏効率(11/14=78.6%)であった.また,NAC後の主治療は放射線療法は無く,全例,広汎子宮全摘術などの手術療法を施行した.追跡期間は19.0ヶ月(中央値)で,リンパ節転移陽性群5例のうち,3例が死亡,2例はAWDであったが,陰性群9例では死亡例は無く,7例がNEDで2例はAWDで全例生存であった.【結論】進行子宮頚癌に対する術前BIN療法は高い奏効率,治療成績の向上を認め,NACとして有用なレジメンと考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
298-298, 2001
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