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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
子宮頚部腫瘍 CPT-11とCDDP併用によるNAC(術前化学療法)が奏効した子宮頚部扁平上皮癌の2例
田岡 英樹, 古川 隆正, 青木 千津, 白石 淑子, 斉藤 眞一, 久保 春海
東邦大学医学部第1産科婦人科
子宮頚癌に対する術前化学療法の有効性はすでに多くの報告で明らかにされており,さらに予後の改善も期待されている.今回我々は,CPT-11とCDDP併用によるNACが奏効し,さらに術後の補助化学療法としても同様の治療を行なった子宮頚部扁平上皮癌の2例を経験したので報告する.CPT-11は60mg/m2でDAY1,CDDPは60mg/m2でDAI1,8,15に点滴静注にて投与した.症例1は67歳,IIa期で腫瘍径が4cm以上であったためNACの適応とした.NAC2クール施行後PRとなり,さらに1クール追加後,広汎子宮全摘術,後腹膜リンパ節郭清を施行した.pT1b N1M0で,骨盤リンパ節に転移が認められたため,術後の補助化学療法として3クール追加治療後退院,外来通院とした.症例2は55歳,IIb期で,NAC2クール施行後PRとなったため1クール追加後,広汎子宮全摘術,後腹膜リンパ節郭清を施行した.pT1b N1M0で,骨盤リンパ節に転移が認められたため,術後の補助化学療法として3クール追加治療後退院,外来通院とした.同レジーメンによる化学療法は,2症例に対し12クール施行された.grade3以上の有害反応としては,白血球減少が25%(3/12),好中球減少が50%(6/12)に認められたが管理可能であり,重篤な感染症となることはなかった.下痢は17%(2/12)に見られたが,軽度であった.現在2症例ともに再発の徴候は全く認められず,生存期間はそれぞれ19ヵ月,17ヵ月である.CPT-11とCDDP併用による化学療法は,NACとして有効であり,予後の改善も期待できる治療であると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
299-299, 2001
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