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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
子宮頚部腫瘍 子宮頚部より発生したと考えられるUterine Tumor Resembling an Sex-cord Tumorの一例
鈴木 千賀子1), 櫻井 明弘1), 宮井 健太郎1), 寺尾 泰久1), 田口 雄史1), 古堅 善亮1), 松本 俊治2), 須田 耕一2), 木下 勝之1)
順天堂大学医学部産婦人科1), 順天堂大学医学部病理第一2)
我々は子宮頚部より発生したと考えられるUterine Tumor Resembling an Sex-cord Tumorの一例を経験したので報告する. 症例は66歳女性,昭和48年より増殖性糸球体腎炎及び高血圧のため当院腎臓内科で経過観察中であったが,平成12年2月より高Ca血症・多血症を認め,悪性疾患の精査目的に9月16日入院.婦人科疾患検索のため婦人科受診.初診時手拳大の腫瘍を認め,画像上solid and cystic partを呈しており,子宮腫瘍の診断で手術となった.腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤内リンパ節生検,大網生検を行った. 頚部に発生する子宮腫瘍を認め,腫瘍は弾性軟の充実性腫瘍でcystic partを有し,内容物は粘液であった.腫瘍は子宮頚部筋層を中心に圧排性に発育して,腫瘍細胞はやや小型で紡錘形,卵円形を示し,瀰漫性にみられ,核異型は軽度である.腫瘍内にみるepithelioid structureはsex-cord likeであった.免疫染色ではケラチン,ビメンチン共に陽性を示し,Uterine Tumor Resembling an Sex-cord Tumorと診断した.また,腫瘍の主座については内膜腺,頚管腺の位置より子宮頚部と考えられた. 現在,再発兆候を認めず外来で経過観察中である. 子宮頚部発生例の報告は文献を調べた限り見られず,稀少な症例と考え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
300-300, 2001
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