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<< 学会誌へ戻る 私達の日常診療において巨大腹部腫瘤として診断，治療されるものの多くは卵巣腫瘍（特に悪性腫瘍）であることが多いが，良性の子宮筋腫のなかにも，まれに巨大な大きさをもって受診にいたる症例がある．過去に20kgを超える子宮筋腫の症例がいくつか報告をされており，海外の文献では最高約40kgの筋腫の症例が報告されている．今回私達は初診時より1年以上も放置されながら，腹部腫瘤感以外にほとんど症状を認めないまま増大し，手術に至った巨大筋腫の症例を経験したので，若干の文献的考察を併せて報告する．症例は40歳，3回経妊3回経産（帝王切開3回）．平成12年2月23日に腹部腫瘤感を主訴に受診．初診時，身長150.2cm，体重60.2kg，腹囲100cm，恥骨より腫瘤上縁までが47cmという巨大腹部腫瘤を認めた．精査後，手術予定としていたが，本人と家族の都合により手術をキャンセルし，その後来院していなかった．平成13年6月1日，腹部腫瘤感を主訴に再度受診．受診時，腹囲110cm，恥骨より腫瘤上縁までが51cmと増大した巨大腹部腫瘤を認めた．しかし，自覚症状としては腹痛，不正性器出血，便秘，尿閉などの症状を全く認めず，日常生活も自力で可能な状態であった．月経周期も整で過多月経も認められなかった．また，血液検査では貧血，炎症所見などは全く認めず，腫瘍マーカーも正常値であった．骨盤MRIでは巨大腹部腫瘤の診断で，巨大子宮筋腫あるいは巨大繊維性卵巣腫瘍が強く疑われたがOriginは不明であった．術中，術後の所見について報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 303-303, 2001 |
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