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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
その他の腫瘍(2) 当科で経験した後腹膜腫瘍の臨床的検討
大久保 貴司, 長井 智則, 斎藤 麻紀, 小林 浩一, 林 直樹, 石原 理, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
骨盤内に発生した腫瘍のうち後腹膜原発と考えられる症例をしばしば経験する.その診断には術前非常に苦慮する場合があり,手術療法,病理診断によって結論が出ることになる.さらに治療のうえでも問題点が多い.そこで当科で経験した6例の後腹膜原発腫瘍と診断され,治療を行った症例を検討し診断と治療について考察する.症例1,21歳,malignant fibrous histiocytoma.完全腫瘍切除御HEEp-DTIC療法を行うも再発,死亡した.症例2,37歳,骨盤リンパ節に発症あるいは転移した平滑筋腫.腫瘍切除後,1年間再発を認めていない.症例3,79歳,骨盤リンパ節に転移した原発不明の未分化腺癌.化学療法施行するも完治せず死亡.症例4,34歳,腸骨周囲に発生した由来不明の肉腫.化学療法にてMRI上CRとなるも再発.再治療により再び縮小しており,現在治療中.症例6,35歳,妊娠後急速に腫大した脂肪肉腫.現在化学療法中である.診断にはMRIが有用であったが,当然最終的な診断は病理組織学的な診断によるところが大きく,診断がつかない場合もある.1例は癌腫であったが5例は肉腫であり,確立された治療法がなく予後についても良好ではなかった.そのため手術療法については可能な限り切除することがやはり重要と考えられた.化学療法についてはそれぞれの例を示し検討する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
304-304, 2001
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