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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
その他の腫瘍(2)
Leiomyomatosis Peritonealis Disseminata(LPD)の一例


大久保 和俊1), 藤川 浩1), 葛目 栄子1), 沢田 真紀1), 藤原 紹生1), 齋藤 裕1), 野嶽 幸正1), 楯 玄秀2)
昭和大学藤が丘病院産婦人科1), 昭和大学藤が丘病院病理2)


 Leiomyomatosis peritonealis disseminata(LPD)は,腹腔内に広範囲にわたり平滑筋腫が播種された病態を呈するきわめて稀な疾患である.今回我々は子宮筋腫核出術後9年を経て再発をきたしたと思われた症例において開腹術を行い,術中所見にてLPDと診断された症例を経験したので報告する.症例は39歳,未産婦.平成4年当院にて子宮筋腫核出術施行後著変を認めなかったが,平成10年頃より下腹部痛と腹満感を認め,平成12年8月近医受診し子宮筋腫の再発を指摘された.GnRHa療法6ヵ月間施行し腫瘤の縮小効果は認めたものの症状は軽快せず,平成13年2月当院受診となった.初診時子宮は双手拳大に腫大し,MRI検査にて多発性の子宮筋腫と診断された.同年5月,開腹術をおこなったが,子宮筋腫以外に壁側腹膜と腸管壁,大網に米粒大から鶏卵大に及ぶ多発性の腫瘤形成を認めた.更に後腹膜腔にも同様の腫瘤が多発していた.腫瘤の性状は表面平滑,弾性硬にて腹膜との剥離は容易であった.術中迅速組織診ではleiomyomaであった.可能な限り腫瘍切除を行い,腹式単純子宮全摘,更に今後の再発を考慮し両側付属器切除を行った.術後病理組織診にてLPDと診断され,腫瘍細胞はSMA陽性,エストロゲン受容体,プロゲステロン受容体ともに90%に陽性であった.患者は術後20日目に無事退院となった.LPDの多くは妊娠や経口避妊薬の服用,HRTなどにより誘発されるといわれているが,本症例においてもホルモン受容体の陽性率からホルモン依存性に増殖したことが推測される.卵巣摘出により再発が抑えられる期待もあるが,閉経後や男性に発症する例も報告されていることから,今後長期的な経過観察が必要であると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 304-304, 2001


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