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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
その他の腫瘍(2) 脳転移をきたした婦人科悪性腫瘍の3症例
小菅 陽子, 平嶋 泰之, 平井 久也, 大石 晃良, 鈴木 美香, 大井 豪一, 小林 浩, 小林 隆夫, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
肺癌と乳癌では高頻度に脳転移が認められ婦人科領域では絨毛癌が挙げられるが,卵巣癌,子宮体癌の脳転移は希である.近年,拡大手術や化学療法の進歩による進行癌の予後改善に伴い脳転移症例の報告が増加している.最近我々も脳転移をきたした子宮体癌2例,卵巣癌1例を経験したので報告する.症例1は子宮体部類内膜腺癌,IVb期.初診時より多発肺転移,骨盤内・傍大動脈に多発リンパ節転移を認めた.CBDCA,ADM,CPM(9コース),2nd lineとしてweekly Paclitaxel(19コース)による化学療法を施行し,両regimenともMinor responseから後にPDとなった.治療開始20ヶ月後に痙攣発作が出現し頭部CTにて多発性脳転移を認め,全脳照射施行したが多臓器転移が進行し,脳転移発見から3ヶ月後に癌死した.症例2は卵巣類内膜腺癌,IIc期.卵巣癌根治術後のPaclitaxel,CBDCA(TJ)療法2コース後に頭痛,嘔気,失見当識が出現し頭部CTにて孤立性脳転移を認めた.この時点で他臓器への転移は認めず,脳腫瘍摘出術を施行したが同部に腫瘍の再増殖を認めγ-Knife療法を2回施行した.Minor responseを得たが多臓器転移も出現し,脳転移発見から4ヶ月後に癌死した.症例3は子宮体部類内膜腺癌,IVb期.初診時より多発肺転移,肝・腸骨転移,骨盤内・傍大動脈に多発リンパ節転移を認めた.TJによる術前化学療法を3コース施行し転移巣ではCRを得て,根治術を施行した.術後TJ療法1コース後に明織不能状態,歩行障害が出現し頭部CTにて多発性脳転移を認めた.この時点で他臓器への転移は認めず,全脳照射にてPRを得たが,多臓器転移が出現し脳転移発見から2ヶ月後に癌死した.以上3症例について文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
305-305, 2001
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