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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
その他の腫瘍(2) 子宮癌における3D-VIBE(Volumetric Interpolated Breath-hold Examination)法による検討
赤枝 朋嘉, 井坂 恵一, 高山 雅臣
東京医科大学産婦人科
(目的)FE法の高速撮像法であるFLASH法を用いた3D-VIBE法はMRIとMRAの像を同時に撮像して,軟部組織とその周囲の血管構成を同時に描出できる.今回,我々は本法を子宮癌(子宮頚癌,子宮体癌)に使用し,その有用性について検討を加えることを目的とした.(方法)子宮癌(頚癌2例,体癌2例)に対し脂肪抑制を併用したVIBE法を施行し,その画像情報に関し検討した.使用機器はMAGNETOM SYMPHONY(1.5T).撮像条件はTR 4.20ms,TE 1.88ms,FA 12゜,スラブ厚80mm,実効スライス厚2.0mm,195×256の可変マトリックス,FOV280mm,撮像時間20〜22sec.造影剤はGd-DOTA20mL+生食水20mLで急速静注し,動脈早期相・静脈相・後期相を得た.また,子宮頚癌2症例に関しては術前動注化学療法を施行した際のPAG画像とMRA像を比較した.(成績)本法により子宮頚癌および体癌病変部とその流入血管が同時に鮮明に描出され,腫瘍の空間的広がりを把握することができた.子宮頚癌のPAG画像で描出された血管はすべて本法による画像においても描出可能であった.また,子宮体癌の筋層浸潤に関してはあらゆる断層からの観察により,浸潤の空間的イメージングにおける診断能の飛躍的な向上が期待できた.(結論)本法はMPRによって多断層からの観察が可能で,病変検出と性状把握,治療前の病変位置の特定を向上させることができ,骨盤内腫瘍を空間的に捉えることに優れた方法であった.また,病変部とその栄養血管を同時に描出させることで,腫瘍の血管新生評価により化学療法治療前後の有用な効果判定となりうることが期待された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
306-306, 2001
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