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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題(奨励賞候補演題)】
周産期 GBSの検出法の検討―検体採取部位及び培養法による比較―
楯 浩行1), 井原 規公1), 中村 光佐子1), 古屋 智1), 横尾 郁子1), 山田 義治1), 宮川 智幸1), 伊豆田 誠人1), 小竹 譲2)
虎の門病院産婦人科1), 松戸市立病院産婦人科2)
(目的)母子感染予防の目的で分娩前にGroup B streptococcus(以下GBS)の検出が広く行われているが,その陽性率は採取部位や培養法によって大きく異なるとされる.そこで,検体採取部や培養法の違いによる膣分泌物のGBS陽性率を検討した.(方法と対象)外来を受診した妊娠35週から37週の妊婦を対象としスクリーニング検査として腟の培養をカルチュレットRにて採取した.1.採取部位による比較:採取部位が各主治医の判断に任されたもの(C群:1997年から1999年;1928例)と採取部位(膣前庭部,会陰及び肛門周囲)を一定にしたもの(A群:2000年5月8日から2001年5月31日;681症例)についての陽性率の比較を行った.2.培養法による比較(2000年5月8日から6月30日;102症例);同一検体を対象にし直接培養法の後に増菌培養法をおこなった.採取は膣前庭部,会陰及び肛門周囲とした.直接培養法は,血液寒天培地にて培養した.増菌培養法としては,SEB培地を用い24時間前培養したのち,血液寒天培地にて培養した.(成績)1.採取部位による比較:陽性率はC群165/1928(8.6%),A群104/681(15.3%)で,統計学的に有意にA群で高率であった.(p=0.000)2.培養法による比較:陽性率は直接培養法では24/102(23.5%),増菌培養法では24/102(23.5%)で差を認めなかった.(結論)GBSの検出には,採取部位が重要な要因であることが明らかになった.また,直接培養法と増菌培養法で差がみられなかったことから,増菌培養法による前培養は必要ないと思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
309-309, 2001
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