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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題(奨励賞候補演題)】
腫瘍
子宮体部G3類内膜腺癌のneuroendocrine differentiationに関する検討


田村 俊男1), 渡辺 純3), 金井 督之2), 新井 正秀1), 新井 努1), 川口 美和1), 上坊 敏子1), 蔵本 博行2)
北里大学医学部産婦人科1), 同大学院医療系研究科2), 同医学部病理3)


【目的】子宮体部G3腺癌の中には組織学的にneuroendocrine differentiationを示すものが経験される.そこで,G3腺癌中にどれ程このような分化を示すものがあるか免疫組織化学的に検討し,予後との関連についても報告する.【方法】1980年〜1998年の間に当院において加療した体癌359例のうち38例のG3腺癌を対象とした.Chromogranin A,Synaptophysin,Leu-7抗体を用いて免疫組織化学的に検討し,それぞれdiffuse,partial,focalと分類した.【成績】38例中32例で検討可能であった.Chromogranin Aはdiffuse 1例(3%),partial 5例(16%),focal 11例(34%),陰性15例(47%),Synaptophysinはそれぞれ1例(3%),3例(9%),5例(16%),陰性23例(72%),Leu-7はfocal 8例(25%),陰性24例(75%)であった.神経内分泌マーカーのいずれか1つ以上が陽性の症例をNeuroendocrine differentiation(NED)を有する症例と診断した.その頻度は32例中19例(59%)であった.Kaplan-Meier法でNED症例の5年生存率は有意に低かった.なおChromogranin AとSynaptophysinがdiffuseに染色された1例はneuroendocrine carcinomaと診断した.【結論】G3と診断されている体癌の中にはneuroendocrine differentiation症例が約60%もあり,特に予後不良であることを指摘したい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 320-320, 2001


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