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<< 学会誌へ戻る 「目的」再発，再燃卵巣癌に対する化学療法は依然として奏効率は低く，key drugであるPt製剤と交差耐性が少ないとされるパクリタキセル（T）は期待される薬剤である．今回Pt製剤併用化学療法に抵抗性を示した卵巣癌に対してT単剤療法または併用療法を施行しその効果及び副作用をretrospectiveに検討した．「方法」同意の得られた上皮性卵巣癌患者において初回手術後のPt製剤併用化学療法の効果が無効な症例または再発症例にT療法を行った．T単剤療法では180mg/m2（3〜4週毎）または70〜80mg/m2（毎週）を行った．T併用療法はシスプラチンまたはカルボプラチンを併用した．「成績」再発，再燃卵巣癌24例にT療法を施行した．前治療との間隔が2ヶ月未満の症例が16例（67％），2〜6ヶ月未満が5例（20％），6ヶ月以上が3例（13％）であった．評価可能21例のうち9例に奏効を認めた（奏効率43％）．病理組織型別の奏効率は漿液性腺癌7/16（44％），類内膜腺癌2/2（100％），明細胞腺癌0/2（0％），粘液性腺癌0/1（0％）であった．初回化学療法の奏効例，直前残存腫瘍径2cm未満の症例はT療法が奏効する傾向にあった．直前治療の種類，総コース数，総レジメン数，Pt free intervalとT療法奏効度は関連しなかった．奏効した症例でも奏効期間は平均3.8ヶ月と短かった．T単剤投与では併用療法に比較し奏効率は低いが副作用も軽度でNC症例が67％を占めた．「結論」T療法は漿液性・類内膜腺癌に有効であり，腫瘍径が小さく初回療法が奏効した症例で有効であった．副作用が少なくTumor Dormancyに寄与できる単剤投与も含めPt耐性卵巣癌に対するT療法は対象の個別化が可能であればより有効なレジメンであると考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 321-321, 2001 |
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