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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題(奨励賞候補演題)】
腫瘍 腹膜透析(CAPD)患者の外来管理上の問題点と周術期管理について
松村 英祥1), 末永 昭彦1), 高木 栄美子1), 小林 浩一2), 林 直樹1), 石原 理1), 竹田 省1)
埼玉医大総合医療センター産婦人科1), 同周産期母子医療センター周産期センター2)
【目的】近年,慢性腎不全に対しCAPDを選択する症例が増加しており,産婦人科疾患で診察・治療する機会が増えている.CAPDは腹腔内の透析液による管理を必要とするため,婦人科治療においても種々の配慮が必要となる.今回,我々は当院にて婦人科治療を行ったCAPD施行患者の外来および周術期管理について,若干の文献的考察を含めて報告する.【対象症例】1990年以降CAPDを導入した患者のうち,婦人科治療を必要とした卵巣機能不全2例,子宮内膜症4例,子宮筋腫2例,子宮体癌1例を対象とした.【結果】子宮体癌症例を除き,保存的治療としてEP剤やGnRH製剤を使用した.貧血のコントロール不良症例では手術療法施行したが,手術施行不能な症例では放射線治療を行った.手術症例では術前に血液透析にて電解質・体内水分量の調節を行ったのち手術施行,腹膜縫合は細かく施行し術後感染症のriskを考慮しCAPDカテーテルを抜去した.子宮摘出後,腟断端より透析液のリークを認めた症例が一例あった.【まとめ】CAPD患者の開腹手術では腹膜機能の維持が重要で必要最小限の侵襲と適切な縫合法が求められる.また保存療法の際には,ホルモン剤の効果不良例があることを念頭におく必要があると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
323-323, 2001
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