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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題(奨励賞候補演題)】
腫瘍
子宮頸部擦過細胞診へのモノレイヤー標本導入の検討


舛本 暢生, 藤井 多久磨, 石川 光也, 福地 剛, 久布白 兼行, 塚崎 克己, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶応義塾大学医学部産婦人科


【目的】細胞診採取器具として従来より頻用されている綿棒の他に新しい採取器具が開発され,その有用性についても様々な検討がなされている.今回我々は採取器具の一つであるブルームを用いて,塗抹標本ならび細胞診自動塗抹標本作製装置ThinPrep法(CYTYC,USA)にてモノレーヤー標本(TP標本と略)を作製し,従来の綿棒採取標本と比較検討した.【対象・方法】当科で子宮頸癌検診を施行した1050例を対象として綿棒採取塗抹標本を作製した.さらに,異なる1500例を対象としてブルーム採取塗抹標本作製後,残りの細胞をバイアル中に洗い出しTP標本を作製し,それぞれの標本を鏡検し塗抹細胞数,組織診断との一致率を比較した.【結果】ブルーム採取塗抹標本は綿棒採取塗抹標本と比較して,塗抹細胞数が増加し組織診断との一致率は後者の74.4%に対し前者は73.8%であった.ブルーム採取塗抹標本には重積が多く鏡検しにくい標本もあったが,TP標本にすることで重積の少ない均一な標本となり,鏡検しやすい標本となった.ブルーム採取塗抹標本とTP標本の診断一致率は96.8%であった.【考察】ブルームによる採取法は綿棒採取法と比較して組織診断との一致率は劣らず,加えてTP標本にすることで,より的確な細胞診断が可能となることが示唆された.さらにTP標本は,同一検体で免疫細胞化学やDNA検査への応用が容易であり臨床的に有用性が高いと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 324-324, 2001


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