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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【特別講演】
産婦人科と安全管理


川端 正清
同愛記念病院


 医療は善意の社会活動である.しかしながら,人間は「過ちを犯す存在」であり,医療においても,過ちが伴うのは宿命とも言える.したがって,医療における安全管理はこの宿命を根底にして構築されなければならない.
1 .安全管理(医療事故予防)の要点
 「事故を起こさない診療」を心がける.医療事故は,システム上や人為的な小さなミスやトラブルが複合的に絡み合い,連鎖して発生するので,この連鎖を断ち切ることにより,事故を防止できると考えられる.
 1 )患者のための医療(心ある医療)を心がける.
 2 )院内インシデント報告体制の整備
危機に対する意識を共有し,対策マニュアルを作成し,周知徹底を図る.強力な指導性の下に行われなければならない.
 3 )職員全員に対する安全管理に関する研修
職員の安全管理に対する意識を常に高める.
 4 )臨床能力の研鑽;危機を予見し回避する能力を付ける.
 5 )患者教育並びに患者の協力(インフォームド・コンセント)
 6 )医療機器安全性の確保
 7 )職員間のコミュニケーションと健康管理
2 .産婦人科医療の現状から見た安全管理
厚生労働省は「健やか親子21 」の中で,2006 年までに妊産婦死亡を半減させる目標を掲げている.過去の妊産婦死亡,周産期死亡の検討を行った.
 1 )妊産婦死亡から見た安全管理
 2 )周産期死亡から見た安全管理
 3 )周産期医療搬送システムの整備
 4 )助産所への支援体制の整備
3 .各論
産婦人科診療において安全管理の面から,以下について触れる.
 1 )薬剤関連(適正使用,誤投与など)
 2 )帝王切開
 3 )羊水塞栓・血栓症
 4 )常位胎盤早期剥離
4 .最近の医事紛争例から学ぶ


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 95-95, 2002


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