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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(2)
子宮体癌の臨床病理学的検討


佐藤 尚人1), 大和田 倫孝1), 和田 智明1), 竹井 裕二1), 高野 貴弘1), 藤原 寛行2), 佐藤 郁夫1), 鈴木 光明2)
自治医科大学産婦人科1), 自治医科大学附属大宮医療センター婦人科2)


 子宮体癌は本邦において増加傾向が認められており,臨床的意義は今後さらに増すものと考えられる.当院開設以来当科で治療した子宮体癌症例について,臨床病理学的検討を行った.1974年5月の開設から2000年12月までに当科で治療した323例の子宮体癌症例を対象に,年次別症例数,年齢別症例数,症状,ハイリスク因子,進行期,組織型,リンパ節転移頻度および子宮内膜細胞診成績について検討した.症例数は増加傾向がみられ,1974年の開設から3年間は6例のみで,全子宮癌に占める割合は15%であったが,1983年からの3年間では28例(28%),1998年からの3年間では79例と増加し,全子宮癌の37%を占めるに至った.年齢別では60〜69歳が110例(34%)で最も多く,次いで50〜59歳が109例(34%)であった.49歳以下の症例は70例(21%)であった.なお閉経後の症例は234例(72%)であった.92%の症例に不正性器出血がみられた.合併症・ハイリスク因子の検討では,月経不順35%,高血圧34%,肥満(BMI26.4以上)28%,未産22%,糖尿病12%,不妊9%であった.重複癌が32例(10%)にみられ,卵巣(9),乳房(8),大腸(7)の頻度が高かった.臨床進行期はI期が199例(62%)を占め,II期34例(11%),III期69例(21%),IV期21例(7%)であった.組織型は類内膜腺癌が306例(95%)を占め,他に漿液性腺癌5例(2%),粘液性腺癌4例(1%),明細胞腺癌4例(1%)がみられた.リンパ節転移は全体で42例(16%)にみられた.子宮内膜細胞診の成績は陽性80%,疑陽性8%であったが,初回細胞診に限ると陽性68%,疑陽性12%であった.なお予後因子の検討結果も報告する予定である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 108-108, 2002


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