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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(3) 再発子宮内膜癌に対するタキサン系抗癌剤とカルボプラチン併用化学療法の治療成績
高橋 佳容子, 伊吹 友二, 鹿沼 達哉, 水竹 佐知子, 今井 文晴, 笠原 慶充, 浅見 哲司, 岸 裕司, 五十嵐 茂雄, 中村 和人, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科
[目的]子宮内膜癌の集学的治療には化学療法は欠かせないものの,未だ決定的な多剤併用化学療法はない.近年卵巣癌に対する化学療法はCAP療法あるいはCP療法からパクリタキセルやドセタキセルとカルボプラチン併用療法(TJ療法およびDJ療法)に移行した.共に嘔気・嘔吐などの副作用が少なく,コンプライアンスに優れ,また,治療効果も勝っている.今回我々は,再発子宮内膜癌に対して,患者さんからのインフォームドコンセントを得た上で,TJ療法あるいはDJ療法を行った症例を経験したので,その治療成績について報告する.[方法]平成12年から平成13年までの4年間に再発治療を行った子宮内膜癌は8例である.適応は前治療で手術療法および放射線療法ないしはCAP療法を行い,腹腔内播種あるいは肺・肝転移などの遠隔転移再発を来した症例であり,術後臨床進行期は1a期および1b期がそれぞれ1例ずつ,3a期1例,3b期1例,3c期2例,4b期2例である.[成績]1例は再発後1年3カ月で死亡し,7例の再発後生存期間は最短4カ月,最長は3年7カ月,平均20カ月である.放射線併用症例が例あった.画像による治療効果判定では,PRが6例,PDが1例であり,奏効率は75%であった.[結論]Grade3以上の副作用は主として好中球減少症であり,G-CSFの適切な投与により発熱などの症状を呈した症例はなかった.奏効率は75%と良好で,tumor dormancy効果を含め,生存期間の延長に寄与することが明らかとなり,再発子宮内膜癌の治療にTJあるいはDJ療法は,有用な選択的治療の1つである考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
110-110, 2002
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