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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(3) 子宮体癌に対するパクリタキセルの効果についての検討
松本 直樹1), 石塚 康夫1), 森裕 紀子1), 篠崎 英雄1), 西井 寛1), 渡辺 明彦1), 落合 和彦1), 田中 忠夫1)
東京慈恵会医科大学付属青戸病院産婦人科1), 同産婦人科2)
【目的】近年,卵巣癌化学療法において,パクリタキセルは第1選択薬としての位置を占めている.我々は子宮体癌に対してのパクリタキセルと白金製剤の併用療法の効果を検討した.【方法】2000年9月から2002年2月までの間に,パクリタキセルを使用した子宮体癌症例14例について,その効果及び副作用につき検討した.腫瘍効果判定には日本癌治療学会による直接効果判定基準を使用した.症例はFIGO I期が2例,III期が4例,IV期が2例,再発例が6例であり,また組織型では類内膜腺癌が8例,腺扁平上皮癌が2例,漿液性腺癌,明細胞癌,腺棘細胞癌,未分化癌がそれぞれ1例であった.【成績】測定可能病変を有する症例(7例)に対する抗腫瘍効果は,CRが1例,PRが5例,PDが1例で高い奏功率(6/7=85.7%)を示した.副作用については,骨髄抑制ではgrade3の白血球減少が8例に認められ,血小板減少は認めなかった.grade2の脱毛が全例に認められた.神経障害についてはgrade1のみで13例,grade2の悪心嘔吐が3例,またgrade2の肝障害が1例に認められたが,いずれも治療周期の遅滞を起こす症例はなかった.【結論】子宮体癌に対するパクリタキセルと白金製剤の併用療法は高い奏功率を認め,根治的化学療法となりうる有用なレジメンと考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
110-110, 2002
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