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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(6) 子宮体部原発卵黄嚢腫瘍の一例
山田 隆, 米山 剛一, 浜村 幸恵, 松村 好克, 馬場 直美, 阿部 崇, 土居 大祐, 荒木 勤
日本医科大学産婦人科
卵黄嚢腫瘍はAFP(alpha-fetoprotein)を産生する悪性胚細胞性腫瘍であり,その多くは若年者の卵巣から発生する.今回,子宮体部原発の卵黄嚢腫瘍を経験したので報告する.症例は23歳1回経妊0回経産,不整性器出血を主訴に平成13年11月当科外来初診,超音波検査にて子宮内腔に直径約1cm大のポリープ様腫瘤を認めた.子宮内膜組織診にてEndometrioid adenocarcinoma(G3),骨盤MRIおよびCT検査等とあわせ子宮体癌Ibと診断し,本人および家族とのinformed consentの上,12月20日,準広汎子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤リンパ節郭清術を施行した.術後病理検査にてAFP強陽性,ケラチン陽性,EMA陰性,卵巣内には明かな腫瘍巣は認めず,子宮体部原発の卵黄嚢腫瘍と診断した.現在PEP療法(CDDP 50mg/m2,VP-16 100mg/m2,PEP 7mg/m2)3クール施行し,AFPは2,700ng/mlから19ng/mlと低下,再発徴候もなく経過している.子宮体部原発の卵黄嚢腫瘍は稀な症例であり,文献的考察を含め報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
114-114, 2002
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