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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍その他(1) Taxol投与量,投与時間より検討した血中と尿中Taxol濃度について
矢追 正幸, 太田 順子, 林 雅敏, 根岸 秀明, 佐々木 奈奈, 濱田 佳伸, 星本 和種, 友部 勝実, 星本 和倫, 掘中 俊孝, 榎本 英夫, 大藏 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
【目的】現在まで,Taxol未変化体及び代謝物の尿中排泄率に関する報告はあるが,非侵襲的な検体である尿を利用したTaxolの尿中濃度に関する報告はあまりない.今回我々は,卵巣癌(内膜腺癌)Ia患者に対しTaxol weekly投与法(1クール)とmonthly投与法(2クール)をおこなった際に患者同意のもと,Taxolの血中と尿中濃度の比較検討をおこなった.【方法】Taxol weekly投与法の投与量を,第1週目100mg/body,第2週目110mg/body,第3週目120mg/bodyとしておこなった.monthly投与法は,Taxol投与時間を2時間(第1クール)と3時間(第2クール)とした.Taxol投与終了後より採血,採尿を開始し,180分間経時的に上腕動脈および膀胱内から採取して測定した.尿については,測定の10分前に尿道バルーンをクランプし,膀胱内に貯留した尿をクランプ解除により採取した.採取した血液から分離した血漿と尿を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にてTaxol濃度を測定した.【成績】全ての投与量において尿中濃度の方が血中濃度より高値となり,monthly投与法では2時間より3時間投与の方が高値となった.【総括】今回,Taxolの腎代謝が確認出来た事より尿は非侵襲的な検体として有用と考えられ,さらにTaxolは泌尿器系癌に関しても有効と思えた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
117-117, 2002
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