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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍その他(1) センティネルリンパ節の同定をおこなった膣原発悪性黒色腫の1例
安 貴子, 甲賀 かをり, 中川 俊介, 久具 宏司, 堤 治, 武谷 雄二
東京大学産婦人科
センティネルリンパ節の同定及び生検は多くの癌治療において,スタンダードな手技となってきている.膣原発悪性黒色腫は非常に稀な疾患であり,本症例においては,放射性同位元素を用いたセンティネルリンパ節の同定が1例報告されているのみである.我々は色素を用い,センティネルリンパ節の同定及び生検を施行した1例を経験したので報告する.症例は81歳の女性で,1週間持続する性器出血を主訴に受診した.膣左下端に径1.5cmのblackberry様の腫瘍を認め,外尿道口周囲には褐色に色素沈着した粘膜を認めた.病理組織学的にはS-100及びHMB45陽性で,サイトケラチン陰性であり,膣原発悪性黒色腫と診断された.手術術式については年令を考慮し,腫瘍及び外尿道口周囲粘膜の局所切除とメチレンブルーを用いたセンティネルリンパ節の同定及び生検を選択した.腫瘍と正常粘膜の境界に色素を注入後約10分で,ブルーに染色されたリンパ管及び浅鼡径部のセンティネルリンパ節を認め,これを生検した.病理組織学上センティネルリンパ節に転移を認めず,その周囲のリンパ節にも転移はなかった.原発巣周囲約1cmのマージンとして粘膜を含め局所切除し,術後24グレイの放射線照射を追加した.本報告は膣原発悪性黒色腫において,色素を用いたセンティネルリンパ節の同定をおこなった初の報告である.本症例においては,センティネルリンパ節が周囲リンパ節の転移状況を代表するものであることを確認すべく,周囲のリンパ生検を追加し,その意義を確認した.センティネルリンパ節の同定は比較的容易で低侵襲であることより,本疾患を含め婦人科癌に応用されていくと考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
118-118, 2002
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