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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(1) 子宮頸癌Ib期合併妊娠について
鈴木 理絵, 仲沢 経夫, 助川 明子, 椎名 香織, 宮城 悦子, 石川 浩史, 遠藤 方哉, 小野 瀬亮, 高橋 恒男, 平原 史樹
横浜市立大学産婦人科
子宮頸癌の若年化傾向,女性の結婚年齢の高齢化に伴い,子宮頸癌合併妊娠は増加傾向にある.一方,癌検診の普及により初期癌の割合が増加しているものの,妊娠初期の検診は徹底されていない.当院では1990年〜2001年4月までに,CIS以上の子宮頸癌合併妊娠を12例経験したが,うちIb期は4例であり全例,28週〜37週で帝王切開+広汎子宮全摘術を施行した.これらの浸潤癌4症例の臨床経過の概要は以下のとおりであるが,子宮頸癌合併妊娠の管理及び治療方針について検討し,若干の考察を加えて報告する.(症例1)妊娠35週に大量出血で診断.37週に手術施行.骨盤内・傍大動脈リンパ節に転移を認め,後療法として化学治療・骨盤内照射行うも再発,2年後癌死.(症例2)妊娠初期の子宮頚部細胞診でクラスIIIa,その後フォロー中に組織診(32週)で子宮頚癌I期の診断.36週に手術施行.骨盤内リンパ節に転移を認め,後療法として骨盤内照射行い,その後再発なし.現在HRT施行中.(症例3)妊娠初期の子宮頚部細胞診でクラスIV.その後,妊娠16週の円錐切除術にて子宮頚癌Ibの診断.妊娠28週に手術施行.リンパ節転移認めず後療法なし.その後再発なし.(症例4)妊娠28週に不正出血あり,前医の子宮頚部組織診にて高分化腺癌の診断.32週に手術施行.リンパ節転移認めず後療法なし.その後再発なし.以上の4症例を通じ,妊娠中の子宮頚部細胞採取の重要性,子宮頚癌合併妊婦の周産期の精神的サポートを含めた支援の必要性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
121-121, 2002
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