|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍(1) 化学療法に抵抗性を示し,再発を繰り返す未分化胚細胞腫(dysgerminoma)の一例
堀江 裕美子1), 岩崎 稚子1), 柳田 聡1), 杉本 公平1), 和知 敏樹1), 平間 正規1), 小林 重光1), 神谷 直樹1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科1), 同産婦人科2)
dysgerminomaは化学療法,放射線療法に感受性の高い卵巣腫瘍である.我々は化学療法に抵抗性を示し,再発を繰り返している症例を前回の本学会で報告したが,引き続きその経過について,今回行っている治療とともに報告する.症例は21歳,0経妊0経産.平成9年8月,他院で卵巣腫瘍にて左附属器摘出術施行.病理組織学的診断はDysgerminoma(pT1cNxMx)であった.その後当院に紹介受診となり,外来で経過観察を行っていたが,平成10年11月膀胱子宮窩に再発を認め,再開腹施行.開腹時,腹腔内に腫瘍が多発し,残存していた右卵巣にも再発病変を認め,子宮全摘術,右卵巣楔状切除術,大網切除術,骨盤内リンパ節郭清術を施行した.病理組織学的診断はDysgerminomaであり,骨盤内リンパ節にも転移を認めた.術後CAP療法5コース施行し,外来経過観察していたが,平成12年9月に腹水貯留を認め,再度開腹手術を勧めたが本人は承諾せず,以後来院しなくなった.平成13年3月再受診時には臍高に及ぶ再発腫瘍を認め,胸水も認めた.平成13年4月に再開腹し,腫瘍摘出術を施行,術後PVB療法を5コース施行し,外来経過観察とした.しかし,平成14年1月,再度,多発性の腹腔内再発腫瘍を認め,平成14年2月に再度腫瘍摘出術を施行した.この4回目手術の摘出標本を用いて抗癌剤感受性試験を行い,その結果,最も感受性の高かったCPT-11,Epi-ADR,MTXの三者併用化学療法を現在施行中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
125-125, 2002
|