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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍(2)
成熟嚢胞性奇形腫に発生した卵巣悪性黒色腫の一例


姜 賢淑, 今井 公俊, 依藤 弘志, 甲田 平吾
静岡市立静岡病院産婦人科


 卵巣成熟嚢胞性奇形腫より発生するとされている悪性腫瘍は扁平上皮癌が一般的であり,悪性黒色腫の発生は稀である.今回我々は,卵巣成熟嚢胞性奇形腫に発生した悪性黒色腫を経験したので報告する.症例は38歳,女性,0妊0産.H13年4月17日,下腹部膨満感を主訴として当院消化器科受診,卵巣腫瘍による腹水貯留の疑いにて同日当科紹介受診となった.身長152cm,体重46kg,体温37.3℃,外診では腹囲93cm,臍上3〜4横指に達する腫瘍を認め,内診では子宮は腫瘍により左上方へ圧排されていた.超音波所見上卵巣悪性腫瘍が強く疑われ,術前腫瘍マーカーはLDH 7280,CA125 851,CA19-9 1660,CEA 3.4,SCC 3.2と高値を示した.CT・MRIでは長径17cm大の卵巣皮様嚢腫を認め,同腫瘤に連続して充実部が存在し全体としては20×14×15cm大であり,卵巣原発悪性腫瘍・皮様嚢腫との診断であった.H13年5月2日,開腹したところ腹水3,650ml,右卵巣は過成人頭大,左卵巣は正常大であった.腹式単純子宮全摘術・両側附属器切除術・骨盤内及び腹部大動脈リンパ節郭清術・大網切除術施行し,カルボプラチン750mgを腹腔内投与した.術後病理組織診断にて右卵巣成熟嚢胞性奇形腫に発生した悪性黒色腫,stage IIIc,pT3cN1M0と判明した.免疫組織染色ではHMB45陽性,s-100陰性であった.病理組織診断が悪性黒色腫であったため,術後約1カ月目に血清5SCD値を測定したところ2.7と正常範囲内であった.術後,DAC-Tam療法(ダカルバジン・塩酸ニムスチン・シスプラチン・タモキシフェン)2コース施行するもPDであり,術後約5カ月にて死亡した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 127-127, 2002


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