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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍(3) 卵巣原発のcarcinosarcomaの1例
和地 祐一, 野口 顕一, 塩川 滋達, 勝又 木綿子, 酒井 謙, 田中 逸人, 桃井 満礼, 渡邉 由紀子, 高橋 康一, 中村 幸雄, 岩下 光利
杏林大学産婦人科
卵巣原発の癌肉腫は稀な疾患であり,その頻度は原発性卵巣腫瘍のうち1%以下であると言われている.今回我々は卵巣原発と診断された癌肉腫の1例を経験したので報告する.症例は64歳2経妊2経産.平成13年6月より下腹部痛と下腹部膨満感を認めたため近医受診した.骨盤腔内腫瘤の診断にて平成13年8月当院泌尿器科紹介受診となった.造影MRI検査にて小骨盤腔内から腹腔内にかけて漿液性部分と造影される実質性部分を伴う9×11×10cm及び11×14×21cmの腫瘍像を認めたため,精査加療目的にて当科受診となった.腫瘍マーカーはCA19-9:10230.0U/ml(正常値37.0以下)CA125:832.6U/ml(正常値35.0以下)と高値を示していた.Serous cystadenocarcinoma平成13年9月11日単純子宮全摘および両側付属器切除術施行した.術中腹水は認めず,右側卵巣に小児頭大の腫瘤を認めた.肉眼的には腹膜播種,リンパ節腫大等明らかな転移像は認められなかった.病理診断にて上皮性成分はmucinouscystadenocarcinomaで他方非上皮性成分はstromalcellsarcomaであり右卵巣原発癌肉腫,Stage2aと診断された.術後パクリタキセル(180mg/m2)およびカルボプラチン(AUC6)の月1回,一投四休にて化学療法を開始した.4コース終了時点でCA19-9,CA125は正常値であり,画像上も再発を認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
127-127, 2002
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