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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍(3) 卵巣原発中胚葉性混合腫瘍の4例
高島 明子1), 横山 安哉美1), 深谷 曉1), 矢野 ともね1), 大高 究1), 木下 俊彦1), 伊藤 元博1), 蛭田 啓之2), 亀田 典章2)
東邦大学佐倉病院産婦人科1), 東邦大学佐倉病院病理2)
卵巣原発の中胚葉性混合腫瘍(mixed mesodermal tumor以下MMT)の頻度は原発性卵巣癌の約1%であり,その予後は不良とされている.今回当院でこれまでに経験した4例のMMTを文献的考察も加えて報告する.症例1:57歳.腹部膨満感にて初診.MRIにて17×10cm大の卵巣腫瘍及び腹水を認めた.血性腹水より悪性細胞が検出され,血中CA125,CA19-9,TPA,LDHの上昇を認めた.卵巣癌の診断にて手術,病理検査にてMMT(heterologous type IV期)と診断された.IAP療法5クール施行するも骨盤内転移腫瘍増大し術後5カ月で死亡.症例2:73歳.不正出血にて初診.MRIにて9.5×8.5cm大の充実性部分を含む卵巣腫瘍を認めた.tumor makerの上昇は認めなかった.卵巣癌の診断にて手術,病理検査にてMMT(homologous type Ic(b)期)と診断された.本人希望にて追加治療施行せず.6カ月後,皮下及び骨盤内に転移腫瘍を認め,術後10カ月で死亡.症例3:52歳.腹部腫瘤感にて初診.MRIにて9×8cm大の乳頭状増殖部分及び出血成分を含む多房性の左卵巣腫瘍を認めた.血中CA125,LDHの上昇を認めた.卵巣癌の診断にて手術,病理検査にてMMT(heterologous typeIc(b)期)と診断された.CYVADIC療法4クール施行し,術後13カ月経過したが,再発や転移及びtumor makerの上昇は認めていない.症例4:44歳.腹部膨満感にて初診.MRIにて17×15cm大の充実性部分を含む卵巣腫瘍を認めた.血中CA125,CA19-9の上昇を認めた.卵巣癌の診断にて手術,病理検査にてMMT(heterologous typeIc(b)期)と診断された.T-J療法施行中であり,再発や転移及びtumor makerの上昇は認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
128-128, 2002
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