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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍(4)
血清α-フェトプロテイン高値を伴った卵巣明細胞癌の1例


長田 久美, 岡 賢二, 大平 哲史, 伊東 和子, 塩原 茂樹, 塩沢 丹里, 小西 郁生
信州大学産婦人科


 上皮性卵巣癌でα-フェトプロテイン(AFP)産生がみとめられることは稀である.今回我々はAFP産生卵巣明細胞癌を経験した.症例は58歳(2G1P),閉経後の女性である.外科にて1993年よりC型肝炎および肝硬変の治療を受けていた.2001年9月より血清AFP値の上昇を認めたため,肝細胞癌の発症を疑われ精査を受けたところ,骨盤内腫瘤を認めたことより当科に紹介となった.子宮の左側に径7cm大の腫瘤を認め,画像診断では充実性腫瘤に小嚢胞を多数伴った像を呈していた.血液検査ではLDH,GOT,GPT,γ-GTPの高値と血小板の低下を認め肝硬変の影響と思われたが,AFPは9,324ng/mlと異常高値を示した.CA125,CA19-9,CEAはいずれもcut-off値以下であった.卵巣悪性腫瘍の診断にて2001年11月に開腹手術(単純子宮全摘術,両側付属器摘出術)を施行した.摘出物の肉眼所見は充実性部分も存在したがほとんどはスポンジ様のmicrocystic tumorであった.乳頭状に増生した部分はhobnail状の構造がみられ,細胞質が明るくジアスターゼ消化抵抗性のPAS陽性顆粒を伴いclear cell carcinomaの所見を呈していた.免疫組織学的にAFP陽性部位を検索したが,線維化を伴い腺管構造を形成する立方状の細胞にAFPの局在が認められた.卵巣明細胞癌Ia期と診断し,その後追加治療を行わず,外来にて経過観察中である.血清AFP値は術後低下し,2002年1月以降はcut-off値以下となっている.稀なAFP産生を伴う上皮性卵巣癌についての文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 129-129, 2002


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